骨董ジャンボリーに出店します

今週末の骨董ジャンボリーに、ペタルが初出店いたします。

お近くの皆さま、ぜひ遊びにいらしてください!

骨董ジャンボリー開催日程:
2017年1月14~15日(13日はアーリーバイヤーズデー)
ブース番号 P13b 『フィードサック・手芸 ペタル』

骨董ジャンボリー

Instagramで刺繍の写真を投稿しています

まだ色々と不慣れですが、最近インスタグラムを始めました。

今のところ、私が実際につくったミシン刺繍の作品の写真をひとつずつ公開させていただいています。

手刺繍のようにはいきませんが、ミシンでも素敵な刺繍がたくさんできるので、まずはその魅力を皆さまに知っていただければと願っています。今後は、ペタル・オンラインショップでも刺繍をあしらった商品をご紹介していく予定です。

なお、私はスウェーデンのハスクバーナ・バイキング社のデザイナーSEというミシンを9年くらい前から愛用しています。各社の刺繍ミシンを見比べて、刺したときの風合いが一番好きだったハスクバーナを選びました。2008年には、ご縁があって実際に現地のミシン工場なども見せていただいたこともあり、これからも大事に使っていこうと思っています。そのあたりのお話しはまたいずれ。

インスタグラムでは、たくさんの図案のなかから、とくにお気に入りのものを刺してご紹介したり、自分でプログラミングしたオリジナルのものも時々登場予定です。よろしければ、お気軽にフォローしていただけると嬉しいです。

petal.kamakuraのインスタグラムへのリンク

Creemaにも出品しています

刺繍とフィードサックとアンティーク手芸材料・雑貨の店、PETAL(ペタル)です。

ハンドメイド・マーケットで人気のCreemaにも、PETALの商品を出品しています。
https://www.creema.jp/c/petal_kamakura/item/onsale

出品料がかかるため、お値段は少し高めに設定させていただいておりますが、たくさんのハンドメイド好きの皆さまにPETALを知っていただければと思っています。

Creemaに出しているのは一部の商品のみですので、すべてを御覧になりたい方、お得にお買い物されたい方は、ぜひPETAL Online Shopをご覧ください。

フィードサック・ストーリー

ペタルでは、アメリカのヴィンテージ・フィードサック生地を多数ご紹介しています。フィードサックとは、直訳すると飼料袋という意味です。アメリカで1920年代から50年代の間に大変人気を集めた、カラフルでかわいらしいプリントが施された布袋には、ユニークな歴史があります。

フィードサックは、フィードバッグ、グレインサック、グレインバッグ、などとも呼ばれ、実際はフィード(家畜用の飼料)だけでなく、小麦粉や砂糖、穀物、種や肥料を入れていました。それまでは木の樽や缶、箱などを利用していましたが、重くてかさばるため運搬が困難であり、あまり衛生的でないという問題もありました。1834年にNY州の発明家Walter Huntが2本の糸を使ったロックステッチができるミシンを発明、46年頃に類似品が登場したことをきっかけに脚光を浴び、穀物や飼料を入れても中身がこぼれない布袋を作ることができるようになりました。1800年代に東海岸のニューイングランド地方の各地でコットン紡績が盛んになり、コットン生地が手に入りやすくなったこともそのきっかけになりました。

それ以前から、家庭で小麦粉や米などを貯蔵するときには、ホームスパンリネン(家庭で紡いだ麻を織った生地)で作った袋を使っていました。フィードサックは当初は厚手で丈夫なコットン・キャンバス地で作られ、客は自分の名前や印をステンシルでプリントし、中身がなくなると飼料工場や製粉所へ袋を持って行き、再び詰めてもらっていました。袋のサイズは、樽と同じ1バレル(196ポンド=約89kg)入りか、1/8バレル (24ポンド=約11kg) 入りの2種類しかありませんでした。

1800年代の終わりになると、安価な平織のコットン生地で袋が作られるようになります。化学繊維が普及し始め、コットン生地の値が下がったことも背景にあったようです。生成りのシンプルなフィードサックには、商品名やブランド名のロゴがプリントされていました。倹約につとめていた女性たちは、その生地を再利用し、キッチンタオルや家族の下着、おむつなどを作るようになりましたが、プリントされた文字を消すことができず、やむなくそのまま使うことも多かったようです。袋のサイズも大小さまざまなものがありました。

1920年代の半ばごろ、そこに目をつけたある飼料メーカーが、女性たちが喜ぶようなフィードサックを作ったらもっと商品が売れるようになるのではないかと考え、カラー無地のフィードサックで商品を販売しました。それが好評だったことから、カラフルなプリント生地がついに登場します。紙のラベルは水につければ簡単にはがすことができ、サイドの縫い目も簡単にほどきやすくなっており、生地として使いやすいように工夫されていました。標準的な袋のサイズは100ポンド(約45kg)入りで、袋を開くと高さ43×幅37インチ(約109×94cm)の布になりました。

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このマーケティング戦略は大成功し、女性たちはこぞってお気に入りの色やプリントの袋(生地)を手に入れようとするようになりました。一着のドレスを仕立てるのに3~4袋分の布が必要だったことから、メーカーに同じ柄の袋を予約して取り置いてもらったり、ご近所同士で交換したりしました。これらの生地をつかい、家族のためにキルト、服、カーテン、ベッドカバー、ピローケースなど、さまざまな物を手作りしたそうです。どの商品を購入するかは、女性や子供たちがどの生地が欲しいかで決まったしまったとさえ言われています。また、フィードサックの人気が高かったことから、一部の農家は使いきれない袋を店に買い取ってもらうこともあったそうです。

1930年代の終わりごろには、魅力的なフィードサックの開発競争が激化し、柄のバラエティも飛躍的に増えていきました。1941年時点で、フィードサックの製作所(紡績から織、プリント、縫製までを行っていた)は少なくとも31箇所あったと言われています。なかでも有名なのは南部のBemis Brothers(テネシー州)、Fulton Bag & Cotton Mills、Cottons Mills of Atlanta(いずれもジョージア州)で、東部から中西部までの各地に工場を建設し増産体制を築き上げていきました。各社は専門のテキスタイル・デザイナーを雇って魅力的なフィードサックの開発にしのぎを削っていたそうです。たとえば、カットして縫い合わせればそのままぬいぐるみやエプロンになる柄、カーテンやテーブルクロスなどにぴったりのボーダー柄や、1936年に出版され、39年に映画化され大ヒットした『風と共に去りぬ』(写真)を描いた柄、ウォルト・ディズニーのキャラクター柄など、さまざまな種類の袋が登場したのです。フィードサックを余すところなく上手に活用する洋服づくりや裁縫を指南する冊子も登場しました。

当時の時代背景として、大恐慌と第二次世界大戦がありました。1929年10月、ニューヨーク市場で株価が大暴落したことを発端に世界に連鎖した深刻な不況が大恐慌です。33年まで4年にわたり景気後退が続きました。その後1941年12月に開戦した日本との太平洋戦争から第二次世界大戦に突入すると、国としては結果的に軍需景気の恩恵で経済成長を果たしたものの、45年の終戦まで、戦時下の一般家庭では物不足や倹約を余儀なくされました。

フィードサックはちょうどこのアメリカが経済的に苦しかった時代に広まり、家庭を守る女性や子供たちにささやかな喜びや楽しみを提供していたことは間違いありません。多くのアメリカ人は、フィードサックを貧しい家庭で使われていた布という見方をするのは間違いだと言います。フィードサックに象徴される倹約の精神は、愛国心の一つの表現ではあったものの、やはりフィードサックそのものに強い魅力があったからこそ、貧富にかかわらず多くの人たちに愛され、人気を集めたのだと言われています。しかしながら、フィードサックは1950年代の終わりにはだんだんと廃れていきます。丈夫な紙製の袋が登場し、布袋よりも衛生的かつ経済的という点で大変優れていたため、急速に変化していったからです。

フィードサックが広く利用されていたのはたった30年足らずの期間でしたが、その種類は何万にも及ぶと言われています。現在のアメリカではコレクターズ・アイテムという色合いが強いですが、日本ではキルトや手芸愛好家に親しまれ、今もなお魅力を放っています。フィードサックは、短い歴史ながらも当時のアメリカの生活文化が垣間見え、ノスタルジーを感じさせる特別な布なのです。

参考資料
Kris Driessen, “Feedsacks!
The National Museum of American History, “1854 Hunt’s Patent Model of a Sewing Machine
Grandmother’s Quilt, “フィードサック物語
Sharon’s Antiques, “What is a Feedsack?”
Womenfolk: The Art of Quilting, “Feed Sack Quilt History: Feedsacks, Frugal and Fun

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